医者だった父は、自宅の1階を診療スペースにして開業していました。そのため、小さい頃から医療の世界に憧れがありました。しかし父は外科医だったため、毎日怪我人が引っ切りなしに運ばれ、自宅はさながら野戦病院のような雰囲気だったのです。ですから、外科医にだけは絶対になりたくないと思っていました。
中学生になり、歯並びが悪かった私は大学病院で矯正治療を受けるようになりました。それまで医者というのは父であり、外科というイメージしかなかったのですが、歯医者さんと接してこれまでになかった医療人の姿を目の当たりにしました。
医科と歯科の違いはありますが、歯科医師も医療の力で患者さまを救うことができる。そう考えた私は、以来、歯科医師を志すようになったのです。